通天閣

「通天閣のぼったことある?」
大阪人の会話でちょいちょい耳にするセリフ。
おそらく聞いた側は「あるで」の答えを期待していないであろう。
むしろ「ないで」「のぼらんやろ」の答えが返ってくるのが当然のように構える。
たぶん私ものぼったことが無い。(たぶんというのは記憶していないところでのぼっているのかもしれないという不確かさがある)
そこを拠点としていない大阪人にとって近くて遠いところ・・・新世界
そんな新世界を、通天閣を背景に描かれるお話。
西加奈子の「通天閣」
最近では宮崎あおい、向井理で映画化された「きいろいゾウ」の作者、テヘラン生まれの大阪育ち(それだけでも期待してしまう)の作者。
とにかく笑かしてくれる。小ネタがちりばめられている。日常のあるあるがチョロチョロと閉まりの悪い蛇口のようにこぼれ出る。
しかしこのお話はファンタジーなのだ。二人の主人公(はじめは同じときを別々にそれぞれの世界で生きている)が最後には同じときを同じ場所でありえへん状況でともにするドラマチックな展開、笑いと涙あふれる松竹新喜劇のようなお話。
お薦めです。

ビリケンさん、まあまあデカイです。お腹にあるのは文庫本です

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