雨ふり小僧

お世話になっている方が毎月、政治経済、経営、科学、文芸、スポーツ、演芸など幅広いジャンルの読み物から役に立つ物、面白い物を抜き出してプリントして持ってきてくれます。今月持ってきてくれた中から「小さな約束を守ること」というお話を紹介します。
小さな約束。
それをテーマにした手塚治虫の短編漫画の名作があります。タイトルは「雨ふり小僧」あのひねくれ者の立川談志(失礼!)に「泣いた」と言わしめた作品です。
「雨ふり小僧」は、こんなストーリーです。
主人公は山奥の分校に通うモウ太という名の男の子。ある日、モウ太は橋の下で古い傘をかぶった妖怪、「雨ふり小僧」と出逢います。モウ太が履いているブーツ(どう見ても長靴なんですが)を欲しがる「雨ふり小僧」に、モウ太は「3つの願いをかなえてくれたらあげる」と「小さな約束」をするのです。
その後、いろいろあるのですが、3つ目の願いは「学校の火事を消してくれ」でした。モウ太の「かなえてくれたら、きっとブーツをやるよ。約束するよ、あの橋の下で待ってろよ」という言葉を信じて必死で火を消す「雨ふり小僧」。でも火事になった分校が廃校になり、突然、町に引っ越す事になったモウ太は「雨ふり小僧」との約束をすっかり忘れて引っ越してしまいます。
それから40年後。父親になったモウ太。
ある日、娘にせがまれてブーツを買おうとした瞬間、「雨ふり小僧」との約束を思い出すのです。まさか…、まさか…、まさか!
まさか、まだ、ずっとずっと橋の下で自分が来るのを待っているのでは?
新品のブーツを買って、40年ぶりに田舎へ向かうモウ太。約束の橋の下へ行ってみると…。
雨ふり小僧は、40年前と同じ姿で、橋の下に立っていました。「火事を消したらブーツをあげる」と言ったモウ太の言葉を信じて。
ずっとずっと、待ち続けていたのです。
けなげすぎるぞ、雨ふり小僧!立川談志が泣くわけです。「小さな約束」を守る事が、どれだけ大切な事なのか…。
小さな約束を守り続ける人は信頼を勝ち取り、時として人を感動させる事があるのです。
あなたは、どこかに雨ふり小僧を待たせてはいませんか?
というお話でした。
私もハッとして30年前の約束を思い出し心斎橋に行きましたが橋は無くなってました!(もちろん冗談ですが…)

先月、小さな約束を果たしに阿倍野にあるお墓に参って来ました。日本一の超高層ビル「あべのハルカス」を望んで。

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