犬の乳腺腫瘍

今回は犬の乳腺腫瘍についてお話します。
「山田さんとこのラブちゃん、お乳にしこりができて手術したんやって」
飼い主さん達の会話でよく聞く話ではないでしょうか?
犬の乳腺腫瘍は日本において発生した犬の腫瘍のおよそ25%を占めると言われています。
一方、米国では非常にまれな腫瘍です。避妊手術の広まりとともに発生が激減したということです。
このことから性ホルモンが発生に深く関わっていることがわかります。
そして良性、悪性が半々であると言われています。
そこで手術の必要性について様々な議論がされるのではないでしょうか?
しかし確定診断には腫瘍切除が必要で乳腺癌の多くは良性からの悪性転化で生じることが明らかにされつつあるので見つかった腫瘍については早期切除を原則とすべきなのです。
また大きな腫瘍ほど危険で小さな腫瘍ほど治癒率が高いことも早期切除の根拠となります。
手術方法も腫瘍の大きさ、場所、数、動物の状態により選択されます。
これらのことよりお乳にしこりを見つけたらできるだけ早く診察を受けることをおすすめします。
写真の犬は右側の1番目の乳首付近に1cmのしこり、4番目の乳首付近に0.5cmのしこりがあり右側の乳腺の全切除手術をしました。

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