今年の夏も殺人的な猛暑に見舞われています。少しでも涼しくなるよう皆様はどのような工夫をされていますか?
よく怪談を読んだり聞いたりすると涼しく(寒く?)なるといいますよね?
いわゆる怪談ではないのですが不思議な話、怪異譚である「遠野物語 remix 京極夏彦x柳田國男」を読みました。
ご存知の方も多いと思いますが原典は民俗学の父・柳田國男が岩手県遠野市出身の文筆家・佐々木境石から故郷に関する話の数々を聞き取り明治43年に記された「遠野物語」です。
それを京極夏彦が百年の時を経て読み解き新たに結んだ… まさしくremix しました。
遠い、野と書いて「とおの」、著者は音だけでも一種の郷愁を聴く者の心中に沸き立ててくれる、目の前にあるのに辿り着けない手が届かない、そんな儚さがあり、それでも訪ねてみたくなる追い求めたくなる想いを掻き立てる愛しさがある名と記しています。
ひなびた山村でもあり栄えた城下町でもある珍しい土地柄である遠野の不思議で怖いお話。
私は河童の話を期待して読みましたがすごく少なくむしろ山男や動物と人間の婚姻という奇怪な話が多く引き込まれました。
当時の人にとっては事実で本当の話だったと思うと少しばかり涼しくなりました。
いや、それよりも日本の原風景を感じ、そこに吹く風を感じて涼しくなったのかもしれません。